よくわかるコラム
私たちが難しい事業再生にあえて取り組む理由?
- その他コラム
弁護士にとって、自己破産を請け負うことは簡単です。
事業を廃止し、あるいは店舗を閉めて、自己破産をする場合、
弁護士は、簡単に言ってしまえば、書類を集めて裁判所に出すだけです。
書類を出すだけというのは言い過ぎかもしれませんが、
事務所や店舗の賃貸借契約を解約したり、
売れる物を売却したり、売れない物は捨てたり、
そんな簡単なことばかりです。
それに比べて、
事業を続ける、店舗を続けるとなると大変です。
詳しいことはここでは説明できませんが(文章で説明するのは難しいので、個別面接相談やセミナーで説明しております)、
弁護士にとって、廃業する場合、閉店する場合より、事業を続ける場合、店舗を続ける場合のほうが、2倍か3倍も手間と時間がかかります。
それでも私たちがあえて事業再生に取り組むのはなぜか?
それは価値ある事業や店舗を残すためです。
赤字の事業や店舗をわざわざ手間と時間をかけて残す必要はありません。残すべきではありません。
私たちも、そのようなケースでは、廃業をお勧めします。
ですが、借金がたくさんあっても、滞納税金がいっぱいあっても、事業は黒字という企業も少なくありません。
利益は出ているけれども、借金の額が多すぎて、返せない。無理して返済しているので、売上げ、利益を上げるための手も打てない。
そんな中小企業も多いのです。
たくさんのお客様に支持されているお店も少なくありません。お店がなくなったら、多くの人が困る。悲しむ。
そんな事業や店舗が借金のためになくなってしまう、滞納税金のためになくなってしまう。
そんなことになったら、社会の損失です。
その事業や店舗を頼りにしている会社やお客様が困ります。
価値がある事業や店舗は残すべきなのです。
たとえ手間と時間がかかっても、何とかして残す必要があります。
単に社長や従業員のためだけではないのです。
この日本の社会のために、あえて事業再生に取り組んでいるのです。
私たちは、事業や店舗を続けながら借金や滞納税金をゼロにする「ヤドカリ式事業再生メソッド」を通じて、日本の経済社会を強くしていこう。
そう考えています。
弁護士 大 竹 夏 夫
弁護士 中 島 英 樹