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家賃の催促を受けたら、どうしますか?

  • その他コラム
2017.07.19

相談内容
「家賃が2か月遅れておりまして、大家さんから催促が来ています。どうしたらよいでしょうか?」

 

雑貨卸・販売を業とする「山海商事」(仮称)の山海社長からのご相談。
昨年末から売上が低迷し、資金繰りが苦しい状況。
社員の給与は何とか遅れずに支給しているものの、
会社事務所の家賃月額23万円が払えず、滞納してしまっているという。

 

回答内容

私は、次のようにアドバイスした。

 

「まだ大丈夫です。
賃貸借契約については、判例で、信頼関係破壊の法理というものがあります。
簡単にいえば、家賃を滞納しても、すぐには契約解除が認められないというものです。
さまざまな事情を考慮しますから、一概に言えませんが、
概ね、居住用なら4か月分前後、商用なら2か月分前後までは滞納しても、
大家さんが契約を解除することはできないのです。」

「それに、大家さんが賃借人を追い出すとなると、裁判をしなければいけません。
強制執行して追い出すまで裁判手続をすると、
大家さんには100万円以上の費用がかかります。
ですから、大家さんとしては、無理やり追い出すのではなく、
出て行ってくれとお願いせざるをえないのです。」

「ですから、山海さんは、焦る必要はありません。大家さんにきちんを事情を説明して、待ってもらいましょう。
具体的にいつになったら、いくら払えるのか。
今後の支払いの予定、見込みでいいので、その点を説明すると、
大家さんも少しは安心して、待ってくれると思います。
というか、大家さんとしては、待つしかありません。」

私のアドバイスを聞いた山海社長は、安心したのか、こわばっていた顔が和やかになった。
とはいえ、このままでは家賃は来月以降も払える見込みがない。
破産するのか、再生で行くのか、その点を検討しなければならない・・・

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